環境調査研修所で実施されている環境研修の概要を御紹介します。
研修の基本方針及び概要
1.環境調査研修所における研修の位置付けと特色
環境調査研修所で行う研修については、環境省組織令(平成12年政令第256号)第48条第2項第1号によって、「環境省の所掌事務に係る事務を担当する職員その他これに類する者の養成及び訓練を行うこと。」と規定されています。
環境行政は、最新の科学技術等に基盤を置くという専門性及び様々な領域にまたがる という複合性を併せ持ち、かつ、国際連携が必要な場合も多くあります。研修の実施に際しては、このような環境行政の性格に十分配慮する必要があります。
こうしたことから、当研修所の研修生は環境省職員、他省庁及び地方公共団体等で環境行政を担当する職員等多岐にわたります。これは、他の文教研修施設と比較しても、大きな特色となっています。
2.研修の種類
環境調査研修所では、上記のような幅広い研修生の職務遂行に必要な専門的知識及び技術を習得させるとともに、行政的視野の拡大及び行政的識見の向上を図るため、以下の3種類の研修を実施しています。
(1)行政研修
主に環境行政の企画・立案・規制等の運用に携わる行政職員を対象に、環境省の所掌事務のそれぞれについて、当該業務の遂行に必要な専門的知識・技能習得を目的として実施するものです。
(2)分析研修
環境分析業務の遂行に必要な専門的知識・技能習得を目的として実施するものです。
環境調査・モニタリングの手法が、環境媒体や分析対象物質の種類によって異なるため、それぞれの手法に応じた研修コースを実施しています。
(3)職員研修
環境省において業務を遂行する職員を対象として、階層別及び職種ごとに知識等の習得や資質の向上を図ることを目的として実施するものです。
3.研修の実施方法
環境行政は、現場において臨機応変かつ迅速な対応が求められるとともに、広範な主体の参画を得て推進していくことが重要です。
このような特性を踏まえ、研修のカリキュラムは、その目的、対象者、内容等に応じ、講義、演習、実習等によって構成されています。
(1)講義
当該分野に係る最新の知見を、体系的かつ網羅的に提供します。
(2)演習・見学
現場での処理能力を向上させるため、以下の教科を通じ、研修生自らが考え、議論を交わし、体感することを重視します。
① 演習(事例研究、グループ討議、ゼミナールなど)
② 見学(視察、体験学習など)
(3)実習
体系的な実習を行うことにより、分析技能の習得を図ります。
(4)交流・相互啓発
研修は、環境行政の担当者が、全国から一堂に会する貴重な機会であり、これを活用し、交流・相互啓発を深め、ネットワークを作ることを奨励しています。
こうした内容を効果的に実施するため、合宿制の集合研修という形をとってきています。